ドイツでシードが鳥の主食として人気の理由

1. 日本とドイツの主食の違い

今の日本では、ペレットを愛鳥さんの主食にしているご家庭がとても増えてきたように感じます。中には、ペレットとシードを半々であげるスタイルもよく見かけるようになりました。

飼い主さんにお話を聞いてみると、多くの方がこんなふうにおっしゃいます。

「通っている先生に、ペレットを勧められたんです」

ペレットの大きな魅力は、栄養バランスが整っていて、それだけで必要な栄養をしっかりカバーできるところ。鳥さんの健康にとっても、よい影響があることが、少しずつ研究でも明らかになってきているようですね。

ドイツでも、欧米産のペレットは手に入りますが、一般的には療養目的で使われることが多いようです。ご家庭でのふだんの食事としては、シードが主食になっていて、足りない栄養はサプリメントで補うスタイルが主流のようです。

2. 違いが生まれる背景

日本とドイツでは、飼い鳥文化の違いが本当にさまざまで、特に“鳥の主食”についての考え方に違いがあると感じます。私がドイツでの暮らしを始めた2000年代以降、日本ではペレットが愛鳥さんの主食として広く浸透していったように思います。

両国の飼育スタイルや主食の違いを長年見つめてきましたが、その背景にはやはり、「何を大切にするか」という価値観の違いがあるようです。それぞれの価値観は、その国の文化や暮らしの中で育まれてきたもので、ときには法律として明文化されることもあります。

愛鳥さんにどんなごはんを選ぶか―― そこには、その人が「鳥とどう向き合いたいのか」「どんな暮らしを共にしたいのか」といった気持ちがにじみ出るように思います。

日本、そしてペレットの主な生産国でもあるアメリカでは、「栄養バランスが整っていること」「健康をサポートできること」「手軽に与えられること」といったポイントが重視されているように感じます。

一方で、ドイツやその周辺の国々(とくにドイツ語圏)では、「鳥本来の生態に合っていること」や「できるだけ自然に近い、加工されていない食べものを選ぶこと」、そして「手間をかけて準備すること」に価値を置く方が多い印象です。

日本とドイツ、それぞれの国で大切にされている価値観や、鳥さんの主食のスタイルに「どちらが正解」ということはありません。

でも、世界には日本とはちがったかたちで鳥さんと向き合っている国々があって、シードを主食に、ハーブや自然素材のサプリメントを組み合わせながら、のびのびと健やかに暮らしている子たちもたくさんいることを、ぜひ知っていただけたらと思います。

3. とりきち横丁の商品と情報

とりきち横丁は、ドイツやその周辺の国々で生まれた鳥さんのための商品や情報をお届けしているお店です。

もし、今の主食や暮らし方に新しい何かを探していたり、少しでも迷いがあれば、ふらりとお店をのぞいてみてくださいね。 愛鳥さんとの新しい毎日のためのヒントがみつかり見つかるかもしれません。